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2010年9月13日月曜日

「映画 悪人 をみてきた」

誰が誰の悪人なのか?
誰が得たのか?失ったのか?その両方なのか。
Takumaです。
 

【悪人】
本作は、2006年3月24日から2007年1月29日まで朝日新聞にて連載され、2007年に朝日新聞社より出版された。第34回大佛次郎賞と第61回毎日出版文化賞をダブル受賞。2008年度本屋大賞第4位。2010年7月7日には束芋による絵本版が出版。妻夫木聡主演で、実写映画化。2010年9月11日に公開。

さて、モントリオール世界映画祭で深津絵里さんが、最優秀女優賞を受賞した
映画「悪人」を公開初日に観てきました・・・はぁ~・・・うん。



▼ピックアップ▼
悪人 - Google 検索

先に感想から言うと、映画エンターテイメントだけ好きな人には、
最後の展開に意見が分かれるかもしれない作品。

映画作品が好きな人は、登場人物達のあらゆる人生感と日常の中での価値観の多角性が
ボディーブローのように内側から効いてくる作品です。

この映画を観た後に、いい意味でのストレスで、内臓に重たさをしばらく抱えてました。(最近、仕事でもここまでは無かったのにw)

では、ネタバレしない程度でレビューを。


■月並みだが、誰にでもあるから重い■■■■■■■■

だが、どこにでもあるが安くない。
滲み出てくるような感情が伝わってくるのです、ストーリーが展開するにつれて。

登場人物達が喋らずとも伝わってくる。
俳優も素晴らしいが、誰にでもある。どこにでもある。
それが、ドラマチックではなく、ドキュメンタリーでもないリアル感で染み込んでくる。そんな感じです。

--ストーリー概要------------------------

「妻夫木 聡」が演じる主人公の「清水 祐一」。
長崎の漁村で生まれ育った、解体工の青年。地元の老人の面倒をよくみる物静かだが、心やさしき青年。幼き頃より今も暮らす祖父母に育てられた過去を持つ。

祐一は、出会い系で出会った保険系OLの「石橋佳乃(満島ひかり)」と会い幾度か性交渉をするようになっていた。ある日、佳乃は祐一との約束しながらも、目の前で以前より思いを寄せている「増尾圭吾(岡田将生)」の車に乗り、夜の峠に消えていく。

一瞬、形相を激しく変えた祐一。彼の車は佳乃と圭吾を乗せた車の方向へ走りだす。

・・・数日後。

警察に追われていたのは「圭吾」。「佳乃」は殺されていた。
祐一は普段と変わらぬ日常を送っていた。そして一通のメールが届く。

それが、出会い系で以前「灯台」の話で意気投合をした、
「深津 絵里」演じる「馬込 光代」だった。

光代は、地元の学校を卒業し、地元の紳士服量販店に努め、妹と暮らす彼氏のいない、どこにでもいる女性。毎日に生きがいを感じられず、ただ流れていく日々の無力感の中にいた。祐一へのメールは彼女なりの希望の一通だった。

後日、二人は待ち合わせをし、祐一が望むままに即ホテルに入り性交渉をする。帰り際に「祐一」は金を握らせ駅で別れようとするが、「光代」は金を返し別れ際に言葉を残し去っていく。

・・・また、数日後。

祐一は、光代の務める量販店にいた。以前の別れ際の言葉に、心を動かされた祐一は、光代への思いで一杯だった。どこにでもある交際へのストーリー。祐一は、就業後の光代を家まで送り、地元の長崎へ車を向ける。

・・・その車中、祐一の家に警察が来たという祖母からの電話。

光代の元へ車を再び走らせた、祐一は彼女を乗せどこでもなく車を走らせて行った。

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そしてここまでの数々のシーンの空気が、我々の日常に流れる温度感と違和感がないのが凄い。むしろ懐かしい、どこか潜在的に昔と今がフラットに繋がっているような作品の世界観に繋がっている自分に気づかされる。

「祐一」が殺人を犯し、「光代」が出頭しようとする彼を引きとめ
逃亡生活に突き進む事で。そして、色鮮やかに無彩色の世界が大きく蠢きだす。


■しかし、ここでも作品は一見フラットに戻る■■■■

逃亡する二人。二人は灯台で、幸せそうに身を潜める。
二人の間に穏やかな時間が流れる。体を寄せ温め合い、そして時に重ね合う。

・・・が。

この作品のあと二人の主演俳優ともいえる登場人物が本格始動する。

佳乃の父の理髪店の店主。「石橋 佳男(柄本 明)」と
祐一の祖母の主婦。「清水 房江(樹木 希林)」である。

はっきり言おう。この二人がこの作品の世界観を支える柱であり、この二人が作るリアルが、どこまでも静かに流れる日常の続きの非日常を尚リアルにさせている。

その上で、「妻夫木 聡」と「深津 絵里」が、映画としての分かりやすいストーリーを作っています。ただ、こっちの二人が世界観を壊さずに非日常を引っ張っている所も凄い。

■そしてラストの展開へ■■■■■■■■■■■■■■

そして、クライマックスを迎えた後に
どこまでも日常を引きずる印象の非日常の延長戦。
(※小説では無いそうです。)

ここで、今までボディーブローを入れられ続けていたのに気付く。
「あの分かりやすい一撃でない、あれはフェイントだ・・・」

最後に喰らった、主演以外の人のねじ込まれるようなボディーで私は沈みました。
誰かに沈められたのではない、作品の日常の非日常に沈められた。すげぇ重たい。

そんな・・・見るタイミングを間違うと完全に引きずる映画です。
(↑土曜に観て軽くまだ引きずって抜けられない、日曜日の夜。)


■P.S:今日の気になったサイト■■■■■■■■■■■

▼ピックアップサイト▼
映画「悪人」特集 (akuninreply) on Twitter

●んで、一言

TSUTAYAの映画「悪人」twitterアカウント。 「私の悪事は」のあとに自分の犯したことのある悪事を入力すると、悪人度が0%~100%で判定され返ってくる。

まあ、シンプルだがtwitterを絡めるキャンペーンが多くなってきた一例としてご紹介。
診断系コンテンツだが、悪人という作品との内容とのギャップがある意味ヒドい。

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